掛軸は二、三十年経つと糊が古くなり紙が浮いてきます。
表面にも埃や汚れがついてきます。
その時が修復の時期です。
本紙と裂地を分解して、本紙をきれいに洗い、表装し直します。

いくつか例をごらんください。



本紙は絹本で、カビであるホシがたくさんありましたが、
修復の過程で洗うことできれいになりました。
肌裏に新しい和紙を貼りますが、これも時代を考えて少し色味があるものを使用しました。

表面の汚れを落とすことで、絵の細かい描写も描かれた当時の筆致が蘇ります。



これは本紙が紙本ですので、折れ皺がありましたが、伸ばして裏打ちし直すとすっきりして、絵が見やすくなりました。

本紙にあった雨染みもほぼきれいになりました。



裂地の裂け目も修復することで、安心して掛けることができるようになりました。

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